去年の3月11日のことはだれもよく覚えていると思う。
そして、私は前日の3月10日のことも、とてもよく覚えている。
憧れの人に、初めて会ってお話しすることができた日。
テレビの仕事をしていても表に出ることはなく、
本を出していても作家でもタレントでもないからサイン会があるわけじゃなく。
一生接点を持ちようがない、と思っていた、一方的に憧れていた人。
講演会をするというのを偶然知ったのものの、時すでに遅し、チケットは完売だった。
当然お会い出来るとは思えなかったのに、
とても運のいいことに講演前の貴重な時間にも関わらず直接お話しできたうえ、
御本までいただいてしまった…
しかも、数ある著書の中、唯一私が持っていなかった本を!
どこまで幸運が続くんだ!?と思えた、もう、夢のような時間だった。
その夜は、どうやってお礼をしようか、でもホームページもないし、
出版社あてにお手紙を書けばいいのかな??
なんて、布団の中で真剣に考えていた。
幸福感に満たされながら。
翌日。
同じ時間、同じ場所。
駅は閉鎖されて照明が落とされて暗かった。
近くに群がっていた男子高校生たちが
「1日くらい野宿したって死なねーよ!」なんて与太飛ばしているのが聞こえた。
その後、講演会の会場は計画停電のために1か月以上休業になった。
私は、まだお礼を伝える方法を考えている。